宮原知子【怪我からの復活!】フィンランディア杯2017・動画
Finlandia Trophy
フィンランディア杯
2017.10.06 – 2017.10.08
現、全日本女王 宮原知子選手登場!
チャレンジャーシリーズ第6戦「フィンランディア杯2017」が、10月6日〜10月8日 フィンランドのエスポー(エスポーメトロアリーナ)で開催されます。
今季はなんと言っても「平昌五輪2018」が開催されるオリンピックシーズンです。
そのオリンピック前哨戦でもある国際大会「グランプリシリーズ」が10月から開催されるあって、例年にないほどチャレンジャーシリーズにも注目が集まっています。
宮原知子【怪我からの復活!】フィンランディア杯2017・動画※棄権
※宮原知子選手は棄権しました。
平昌五輪2018に向けて、各国の有力選手たちが着々と準備を整えている、そんな緊張感がヒシヒシと伝わってきますね!
「フィンランディア杯」には、日本からは女子シングルの宮原知子選手が出場します。
今大会日本からのエントリーは宮原知子選手ただひとりですので、遠く離れたフィンランドまで届くよう、しっかり声援を送りたいですね!
「ステップノーカン!?ジャッジに苦んだ昨シーズン」
今や日本女子シングルのエースとなった宮原知子選手ですが、昨季は苦悩のシーズンとなりました。
シーズン序盤、宮原知子選手を苦しめたのはなんと言っても「ジャッジ判定」でした。
グランプリシリーズ初戦となったカナダ大会、フリーでステップがノーカウント・0点になるという事態が起こります。
試合後、浜田美栄コーチも「国内大会でもチェックしてOKもらっていたのに」と苦しい表情でしたが、「宮原知子選手に申し訳ないことをした」と擁護していました。
確かにカナダ大会の前に出場した国際大会「USインターナショナルクラシック」では、何の問題もなく評価され優勝しているので、それがノーカンになるとは、陣営はもちろんのこと宮原知子選手が一番驚きショックを受けたことでしょう。
宮原知子【怪我からの復活!】フィンランディア杯2017・動画
・ノーカンの理由とジャンプの回転不足
大会後このノーカンについては、様々な意見がありましたが、まとめると「ちょっと変則的なステップ」だったということ。
「ステップのコース自体が難しく、会場によって左右されるのかもしれない」との専門家の意見でした。
かなり革新的で面白いステップだったのですが、これが「ステップ本来の『基準』を満たしていない」とジャッジされた、ということです。
採点表を見るとさらにジャンプの回転不足やアテンションマークも細かくついており、思うように点数が伸びませんでした。
回転不足を取られると基礎点+出来ばえ点マイナスになります。
アテンションマーク「!」は、「間違ってはいないが不明確なエッジである」ということで、これも基礎点+出来ばえ点マイナスとなってしまいます。
ジャンプを踏み切る際のインサイド、アウトサイドのエッジがクリーンではない、ということですね。
・それでもファイナル進出へ!
続く次戦の「NHK杯」。
ショートで珍しくジャンプミスがありましたが、フリーでは大歓声となる演技を披露してくれました。
本人も手ごたえのある笑顔。
しかしその笑顔がキス&クライでは一変曇っていきます。
採点表を確認すると、はやりジャンプに回転不足がついています。
しかも3つのコンビネーションジャンプでアンダーローテーションを取られているため、思うように得点が伸びなかったのです。
それでも2位となり、ノーカンのあったカナダ大会3位と両大会でメダルを獲得し、2年連続となるファイナル進出します。
・努力の達人 宮原知子選手
グランプリファイナルでは、ここ2大会の鬱憤を晴らすかのように、ショート、フリーで自己ベストを更新し、日本女子歴代最高得点で2度目の銀メダルを獲得しました。
その後の全日本選手権でも、ショート、フリー1位の完全優勝で、大会3連覇を達成!
もともと宮原知子選手は、ジュニア時代からジャンプの回転不足を取られやすい選手ではありました。
そこを持ち前の頑張りとたゆまぬ努力で、世界のトップクラスにまで登りつめたのです。
これは「努力」のひと言で表現できるような次元のものではありませんが、本当に「努力の達人」のような人、それが宮原知子選手なんです。
宮原知子【怪我からの復活!】フィンランディア杯2017・動画
「左股関節の疲労骨折で欠場」
しかし年明けのシーズン終盤、宮原知子選手を苦しめたのは怪我でした。
左股関節の疲労骨折の影響で、平昌五輪2018会場で開催される四大陸選手権と、2017冬季アジア札幌大会を欠場したのです。
「今は加療に専念し、世界選手権でしっかりとした演技ができるよう体調を整えたい」とコメントを発表するも、思うように回復せずオリンピック
出場枠をかけた世界選手権でも欠場を余儀なくされます。
責任感の強い宮原知子選手のことですから、苦渋の判断だったでしょうが、将来の選手生命を考えると賢明な決断です。
宮原知子選手の怪我について、織田信成さんがテレビでこう語っていました。
「通常スケーターは右足の方を多く使うので右股関節を痛めることが多い。
左股関節の故障ということは回転不足を多く取られたコンビネーションジャンプをたくさん練習したからじゃないかと思う」。
これまで宮原知子選手を支えてきた努力が怪我に繋がってしまったとは、非常に残念でなりませんが将来のある大切な体です。
今後のためにも療養することが一番大切ですね。
「大人のスケーターへ」
昨シーズンの終盤を怪我の療養にあてた宮原知子選手でしたが、5月からは氷上練習を再開し7月にはアイスショーで元気な姿を見せてくれました。
インタビューでは「痛みを忘れて滑ることができて、今までで一番楽しかった」と語っています。
初のオリンピック出場に向けた今季のプログラムは、ショート「SAYURI」振付:ローリー・ニコル、フリー「蝶々夫人」振付:トム・ディクソン。
8月のアイスショーではショートプログラムの「SAYURI」を披露しています。
3回転ルッツ、2回転ループ、2回転アクセルとジャンプはまだ安定してはいませんが、一切の無駄を感じさせない動きは圧巻です。
緩やかに流れる曲調から一変、和笛と太鼓の早いリズムに乗せて刻むステップは、大きな見せ場となるでしょう。
「目指しているところに突き進む強い女性の映画。映画の雰囲気とぴったりと合うように表現できたらいい」と意欲を語っています。
宮原知子選手は小柄なこともあり、これまでは可愛らしさが勝っていた部分がありますが、ちょっと見ない間にすっかりと大人の女性のスケーターになっていました。
黒い衣装は自分でデザインしたと、本人のブログでそのデザイン画ものせています。
宮原知子選手、ブログを始めたんですよね。
なんとものほほんとした、氷の上とは全く違った宮原知子選手のブログ、かなり癒し効果があるので是非見てみて下さい!
「自分らしい『蝶々夫人』を目指して」
「蝶々夫人」は、浅田真央さんも使用していましたね。
まだ多くの人の記憶に残っているのではないでしょうか。
「蝶々夫人」は、これまでも多くのスケーターたちに愛され使用されてきた曲でもありますが、「すごく有名な曲。自分らしい宮原知子の蝶々夫人と言われるような演技ができたら」とコメントしています。
「SAYURI」、「蝶々夫人」ともに、日本人女性が主人公の物語です。
過去のプログラムの中でも、宮原知子選手のハマりプロと言われた「ミスサイゴン」。
こういった東洋的なプログラムは、宮原知子選手が得意とする分野でもあります。
世界に対抗するためには、自身の個性と魅力を存分に活かすことが大切です。
本田真凛選手も「トゥーランドット」ですし、これはオリンピックに向けて浜田組、東洋プロで確実に攻めてきましたね!
どこか悲劇的なイメージのある蝶々夫人ですが、その一方で愛に生きた強い女性でもあります。
読書家の宮原知子選手、すでに原作は読破しているのではないでしょうか?
どんな解釈で宮原知子選手が蝶々夫人を魅せてくれるのか、衣装ともども楽しみに待ちましょう!
とにかく今季は大切なオリンピックシーズンです。
怪我なくシーズンを過ごせるよう、そして平昌五輪2018出場を願っています!
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