羽生結弦のフィギュアスケート全日本選手権2017
羽生結弦はフィギュアスケート全日本選手権出場ピンチ!
ソチ五輪金メダルを獲得後、多くの試練に見舞われながらも、これまで幾度も奇跡のような復活劇を魅せてきた羽生結弦選手が、オリンピック連覇のかかる今シーズンかつてない苦境に立たされています。
11月のNHK杯公式練習中、ジャンプで転倒し右足関節外側靭帯損傷の怪我で大会を欠場。当初の診断では、絶対安静10日間・その後3〜4週間ほどで(パフォーマンスが)元に戻ると見られていました。
その後、練習拠点であるカナダ・トロントへ戻り、治療とリハビリを受けていた羽生結弦選手ですが、フィギュアスケート全日本選手権を目前に怪我の回復が長引き調整が遅れていることを日本スケート連盟が発表しました。五輪代表選考を兼ねた今大会、羽生結弦選手の全日本選手権2017出場はあるのでしょうか?
羽生結弦選手は未だ氷上練習はできない状態
羽生結弦選手の近況が発表されたのは、怪我から1ヶ月が経過した12月10日のことでした。(コメント内容は要約しています)日本スケート連盟を通じ、「だいぶ良くはなったが、まだ痛みがあるため氷上練習はできていない。治療とリハビリを頑張っている」と羽生結弦選手からのコメントが発表されました。
その後、新たな情報が13日、更に詳細なコメントが14日に追加発表されます。「通常の捻挫よりも治りが長引く靭帯も損傷してことがわかった。また腱と骨にも炎症があるため治るスピードが早はくない。まだ氷上に乗ることはできていないが、単純に滑ることから始め少しづつ負荷を上げていきたい。いつから練習を再開出来るかはまだ決まっていない」
初めのコメント発表時には、スケート連盟の小林強化部長も「羽生結弦選手は全日本選手権2017出場に向けて頑張っている」と話していました。しかしその後のコメントからすると、未だ氷上練習の再開予定は立っていない様子です。ということは、実質的に羽生結弦選手の全日本選手権2017の出場は無くなった、と見てよいのでしょうか?
羽生結弦選手の平昌五輪切符は?
もしも羽生結弦選手がフィギュアスケート全日本選手権2017を欠場した場合、五輪代表選考はどうなるのでしょう?
平昌五輪代表選考基準は次の通りです。
【1人目】全日本選手権優勝者
【2人目】全日本2位、3位▽グランプリファイナル進出者上位2人
【3人目】2人目の選考から漏れた選手▽全日本終了時点での世界ランキング、国際スケート連盟公認大会で出した今季最高得点などの上位選手
から選考されます。
※全日本出場は不可欠だが、世界選手権3位以内の実績がある選手が、怪我等でやむを得ず全日本を欠場した場合は、それまでの成績を評価し選考することがある
とあります。
男子の平昌五輪出場枠は3つ。羽生結弦選手がフィギュアスケート全日本選手権2017を欠場したとしても、現世界王者で世界ランキング1位という実績からも代表入りは確実です。
今季2戦しかしていない羽生結弦選手ですが、初戦のオータムクラシックではショートで自身の持つ世界最高得点を更新しています。小塚崇彦さんも「ルールにはないので難しいだろうが」と前置きした上で「羽生結弦選手の実績を汲み取り五輪の内定を出すこともありだと個人的には思う」と発言しています。
フィギュアスケート金メダリストの中では唯一引退、休養をせずに、ソチ五輪後も現役を続行しトップとしてこのスポーツを牽引し続けてきた羽生結弦選手。すでにルールを超えた評価を得る資格は十二分にあるのではないでしょうか?
海外からの反応
NHK杯負傷直後に、異例ともいえる早さと大きさで羽生結弦選手についての記事を取り上げたニューヨークタイムズ。すでにその時点で「もしも羽生結弦選手がフィギュアスケート全日本選手権2017に間に合わなくても、スケート連盟のルールに則り平昌五輪には出場できる」としていました。
ニューヨークタイムズは、羽生結弦選手が出場したグランプリシリーズ2戦に記者を派遣するという力の入れよう。NHK杯棄権によりフィギュアスケート全日本選手権にも記者の派遣を検討するとされていましたが、さてどうなることでしょう?
熱いエール!イタリアユロスポより
もはや羽生結弦選手のガチオタとも呼び声も高い、イタリアユーロスポーツ実況/解説の、マッシミリアーノ・アンベージ氏とアンジェロ・ドルフィーニ氏の御二方も熱く語っています。
ネットで翻訳されていた記事によると、NHK杯で負った怪我についての近況から「オリンピックを優先し全日本のためにリスクを冒すべきではない。羽生がオリンピックに出場しないということは有り得ない」
「もし行けないとすれば、彼がその時怪我をしていて競技出来ないというケースだけ。そうでなければ彼はオリンピックに出場する」
「彼がオリンピック代表に相応しいことに議論の余地は微塵も無い」さらにはネットの掲示板にまで言及し「掲示板に書かれている戯言を真に受けてはならない。こうした書き込みは事実無根で毒にはなっても何の知識にもならない」
足首の怪我は深刻な問題として「僕たちの願いはポテンシャルが最高の状態で彼がオリンピックに出場できるよう、地球上で最高の医師団が羽生を治療してくれること」
そして「世界中で彼ほど奇跡を起こすことに慣れている人間はいない。だから彼に不可能なことは何もない」「僕達はこの瞬間、彼の怪我が一刻も早く回復することだけを切に願っている」
熱いです!羽生結弦選手愛されてます!本当に羽生結弦選手のことを想ってくれていることが、ヒシヒシと伝わってきます!
最後に「日本にとっても羽生のような選手は、全日本に関係なくオリンピックに派遣しなければならない」「だって彼は金メダルのための勝ちカードなのだからだ」←その通り!!
このように羽生結弦選手の怪我の回復を祈るエールは日本のみならず、世界中から送られてきています。羽生結弦選手にとって今一番恐いのは、治りきらないうちに負傷を繰り返しこじらせてしまうことです。
治癒すればこれまで積み重ねてきた練習は絶対に裏切らないはずです。平昌五輪に向けて本当に治療のみに専念し、本番で悔いのない演技ができるよう心から祈っています。
以下、追記 12/20
羽生結弦のフィギュアスケート全日本選手権2017
平昌五輪へ回復優先の英断
羽生結弦選手がフィギュアスケート全日本選手権2017を、右足負傷のため欠場することが日本スケート連盟より正式に発表されました。
スケート連盟を通じ羽生結弦選手は、「全日本に向けて治療とリハビリに取り組んできたが、断念せざるを得なくなった。今後は一日も早くベストな状態で練習に専念できるよう頑張りたい」とコメントしています。
関係者によると羽生結弦選手は、「試合で演技をしたり質の高いジャンプを跳んだりできる状態までは回復していない」ということで、平昌五輪への調整を優先させるためフィギュアスケート全日本選手権2017の欠場を決めたということです。
しかし先に発表された「氷上練習の再開は未定」から、今回の「試合に向けての練習はできていない」は、氷上練習の第一歩は踏み出せているニュアンスが窺えました。
羽生結弦選手は昨年もインフルエンザでフィギュアスケート全日本選手権を欠場しているだけに、おそらく何とか出場しようと最後まで氷上での練習を模索していたのではないでしょうか。
が、羽生結弦選手の最大目標は、連覇の懸かる平昌五輪に出場することです。「一日も早くベストな状態で練習に専念できるよう頑張りたい」という羽生結弦選手の言葉通り、とにかく今は無理せず思い通りの練習ができる日に早く手が届くよう祈るばかりです。
どうなる?代表選出
五輪代表最終選考会を兼ねたフィギュアスケート全日本選手権2017を欠場した場合、羽生結弦選手は平昌五輪代表に選出されるのでしょうか?平昌五輪代表の選考要項には「世界選手権3位以内の実績がある選手が、怪我等でやむを得ず全日本を欠場した場合は、それまでの成績を評価し選考することがある」とあります。
過去5度メダルを獲得し、昨季の世界選手権覇者である羽生結弦選手。代表選考基準に従って平昌五輪代表選出は確実、異論の余地はありません。代表が確実な羽生結弦選手が無理を押してフィギュアスケート全日本選手権2017に出場し、いらぬリスクを冒す必要は全く無いのです。
オリンピック本番まで試合は無し?
代表が確定している羽生結弦選手ですが、フィギュアスケート全日本選手権2017欠場で心配されるのは、今季2戦しかしていない「試合勘」です。オリンピック本番を前に試合勘を取り戻すため、本来であれば1試合はこなしておきたいところ。
が、羽生結弦選手の体調と平昌五輪までの日程を考えると試合出場は難しそうです。1月に開催される四大陸選手権には、ブラインアン・オーサーコーチも「カナダに戻るには短すぎるし、日本で調整するには長すぎる」として出場に否定的です。
四大陸選手権の2週間後には平昌五輪も開催するため、四大陸選手権には出場しない方針を固めているとすでに一部では報じられています。さらには五輪団体戦から個人戦までは1週間ほどあるため、怪我の回復を最優先に団体戦回避のぶっつけ本番で個人戦に臨む可能性もあります。
確かに1週間という時間は、羽生結弦選手にとっては貴重な調整期間です。
怪我の回復状態を見ながら今後の予定を立てていくでしょうが、羽生結弦選手が五輪連覇に向けて最良のプランを選択してくれると信じたいです。
「羽生が勝つ」皇帝からのエール
羽生結弦選手がNHK杯で怪我を負った後、エフゲニー・プルシェンコ氏がイベントのため来日しました。イベントの様子はネットで動画配信され、多くの人がプルシェンコ氏から羽生結弦選手へのエールに励まされました。
プルシェンコ氏と言えば、ソチ五輪でも羽生結弦選手の優勝を言い当てていましたね。そして今回も「平昌五輪では彼が勝つ」と断言しています。4回転ルッツについても「やる必要はない」とし、「彼は4回転を3回やれば十分」と言い切っています。
この4回転バトル時代において2種3回はどうなのかと思いますが、「羽生結弦選手は他の選手と全く滑りが違う。これは決していたずらに褒めているわけではなく事実を述べているだけ」
「もし次の五輪も出場するならその時は4回転ルッツが必要だと思うが、今回に関しては必要ない」と至って冷静に分析している様子です。怪我した右足の負担を考えると、4回転ループを回避する可能性は大いにあります。
4回転ルッツを本番に入れてくることも考えにくいですし、そうなるとプルシェンコ氏の言うようにトーループとサルコウ2種構成になることも十分あり得ます。羽生結弦選手が唯一無二の存在と称える皇帝プルシェンコ氏から、ソチ五輪に引き続き平昌五輪でも「羽生金メダル宣言」。
羽生結弦選手にもしっかりと届いたことでしょう!
羽生結弦選手にとっては昨年に続き欠場のフィギュアスケート全日本選手権2017ですが、試合後の代表選出で羽生結弦選手の名前が平昌五輪代表選手として高らかに読み上げられるのをしっかり見届けたいです!
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