フィギュアスケートの名コーチ 長久保裕氏が退任
どうして退任なのか?
これまで数多くのフィギュアスケート選手を育ててきた長久保裕コーチが、拠点とする名古屋市の邦和スポーツランドのコーチを9月3日付で退任していたことが明らかになりました。
長久保氏から「千葉で暮らしている妻が体調を崩しているので、付き添いたい」とクラブ側に話があり、当面の間コーチ業から離れることとなったようです。
長久保氏は、来年の平昌五輪2018出場を目指す同クラブの本郷理華選手のコーチでもありましたが、その指導からも手を引くことになり、今後は成瀬葉里子コーチ、川梅みほコーチら他スタッフ陣が指揮にあたります。
フィギュアスケートの名コーチ 長久保裕氏が退任
退任という決断
フィギュアスケートシーズンが本格的に始まると、選手はもちろんのことコーチ陣スタッフを含め大忙しの日々になります。
特に有力選手が多く所属するクラブであれば尚更です。
クラブにはシニア以外のジュニアやノービスの選手も所属しており、、コーチ、スタッフ陣は、その選手たちが出場する国内外の大会に同行します。
そのため有力選手を多く抱えるクラブのコーチなどは、毎週海外遠征という場合もあります。
もちろん普段の練習も通常に行っているわけですから、まさに体力勝負の激務となります。
そんな状況でのオリンピック開催まであと半年を切った今、退任という決断を下した長久保氏とクラブ側の心中は察するに余り有ります。
私たちは見守ることしかできませんが、、今シーズン、本郷理華選手をはじめとする邦和スポーツランドの選手の皆さんを精一杯応援して行きたいです。
競技者から指導者へ
現役選手時代はシングルを経て(1966年全日本選手権優勝)、ペア選手としても全日本選手権で5連覇を達成。
日本初の冬季五輪となった札幌五輪にも出場し16位となっています。
その後、競技を引退後は指導者としての道を歩み始めます。
仙台時代には各地から有望選手が集まり、本田武史さん、田村岳斗さん、荒川静香さん、鈴木明子さんなどオリンピック出場選手を多く育ててきました。
短期間でしたが浅田真央さんのコーチを務めていたこともありました。
中でも鈴木明子さんとの師弟関係を記憶している方も多いのではないでしょうか。
長久保氏への感謝
愛知県出身の鈴木明子さんですが、実は小学生の頃から仙台にいる長久保氏のもとを訪れていました。
その後、仙台の大学へと進学し本格的に長久保氏から師事を仰ぎますが、摂食障害で体調を崩していまいます。
鈴木明子さん曰く「自己管理への意識が強くなりすぎた」と話していますが、実は長久保氏が「少し重くないか?」と発したひと言が原因だったのでと、後日長久保氏本人が語っています。
一時は30キロを切りそうになり医師からも「これ以上痩せたら命にかかわる」と言われるほどだったとか。
「自分にプレッシャーをかけすぎた」と話す鈴木明子さんは、「先生はすごく責任を感じて、私がこうしてリンクに戻れるように救ってくれた一人」と現役を引退した今も感謝の気持ちを忘れません。
治療のため一度は実家に戻った鈴木明子さんですが、、再び仙台の長久保氏のもとへと戻り、皆さんご存知のように見事な復活を遂げました。
鈴木明子さんとの絆
多くの名選手を育てた長久保氏ですが、実は選手として最後の仕上げまで面倒を見たのは鈴木明子さんが初めてでした。
違うコーチに師事したり、大学生になると仙台を離れたりする選手が多かったからです。
その後、仙台のリンクの閉鎖に伴い、名古屋市へと拠点を移します。
ソチ五輪が開催された年、鈴木明子さんは現役ラストシーズンと決め「これまで支えてくれた感謝を込めて」とショートプログラムに長久保氏が大好きな「愛の賛歌」を選びます。
「先生が大好きなこの曲を最後に踊ると決めていた」というように、2人の絆の深さが窺えます。
お互いの意見がぶつかり合うことも多かったようですが、長久保氏のことを「近くなりすぎてお父さんみたいな存在」と語っています。
大病を克服して
長久保氏は、バンクーバー五輪の前年大病を患っています。
食欲が落ちていく長久保氏を見て、鈴木明子さんが「先生、おかしいよ!」と心配し、病院へ行くと胃潰瘍との診断が下されました。
しかしその後ガンが見つかります。
ガン発見の電話を受けたのが全日本選手権のフリー直前。
その後、鈴木明子さんが出場した2月の四大陸選手権直後に手術し、3月の世界選手権には無良選手に同行しロサンゼルスに遠征しています。
シーズン中の手術からすぐに現場復帰と、コーチの方は本当に偉大です。
偉大なる貢献
こうして長久保氏は、これまで日本のフィギュアスケート界に多くの貢献してきました。
長久保氏の門下生たちは、現在、プロスケーター、コーチ、ジャッジ、解説者、スポーツコメンテーターなど、幅広い分野で活躍しています。
与えられたものをさらに大きくして次の世代へと還元して行く。
フィギュアスケート界は、こうしたバトンの受け渡しが実に上手く行っているようです。
オリンピックシーズンでの退任に、長久保氏本人も様々な思いがあるでしょうが、まずはご家族の体調が快方に向うよう、そして長久保氏もご健康であるようにと祈ります。
フィギュアスケートの名コーチ 長久保裕氏が退任
成瀬葉里子、川梅みほ、本郷裕子(本郷理華の母)が振りつけたりしますね。
邦和スポーツランドは東邦ガス系列、元オリンピック選手の鈴木明子さんは名古屋近郊の豊橋出身でしたが、長久保 裕を頼って、東北福祉大学へ進学長久保 裕が名古屋へ拠点を移したら一緒に邦和スポーツランドへ。
鈴木明子さんは現在は邦和スポーツランドクラブに所属しています。
邦和スポーツランドは年中営業している中部の東邦ガスが運営するスポーツ施設です。
また、長久保 裕が仙台時代に教えていたのが本郷理華で、本郷理華も仙台から名古屋の港明中学校から愛知みずほ大学瑞穂高等学校へ進学しました。
長久保祐コーチが教えた選手は
愛知みずほ大学瑞穂高等学校へ進学するパターンですね。スケート部もあるので。
港明中学校は邦和スポーツランドから直ぐ近く。男子ジュニアの大阪出身の山本草太も長久保祐を頼って邦和スポーツランドへ所属し東港中学校へ通学していました。
本郷理華の通った港明中学校は東港中学校から別れた分校でどちらの中学校も邦和スポーツランド近くにある。
邦和スポーツランドは港区役所の西に立地するがかつては貯木場や工場が多くあったところです。
東港中学、港北中学、港南中学の名古屋市港区の3中学は名古屋でも有数のガラの悪い学校でした。
長久保祐コーチの教える選手は名古屋出身ではなく長久保祐コーチを頼ってきた名古屋を拠点とする選手たちで山田満知子コーチの教える選手は、名古屋出身の名古屋っ子選手ということになるのかな。
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