山本草太│怪我を乗り越えて全日本選手権2017出場決定!

 

全日本目指して!西日本選手権 山本草太選手出場

12月開催の全日本選手権出場をかけ、その予選会となる東・西日本選手権が行われました。
平昌五輪出場最終選考会を兼ねた今季の全日本選手権。男子シングルは混沌とする代表3枠目を狙い、熱い戦いが繰り広げられました。

 

なかでも注目を集めたのは、中部ブロック大会を経て西日本選手権に出場した山本草太選手です。度重なる怪我を乗り越え、ついに全日本選手権出場の切符を手にしました!

 

山本草太、1年7ヶ月ぶりの試合

西日本選手権から遡ること1ヶ月ほど前の中部ブロック。山本草太選手にとっては、実に約1年7ヶ月ぶりとなる試合出場でした。大会数日前に再開したばかりというジャンプ練習からも、試合で跳んだジャンプは全てシングルジャンプのみ。

  • ショート33.05点 フリー76.01点 総合109.06点

試合後は「99.9%無理だと思うけど平昌五輪を諦め切れなくて」と出場を決めた気持ちを明かしています。西日本選手権への出場権は手にしたものの、この時点ではその後の試合に関してはまだ未定としていました。

山本草太│怪我を乗り越えて全日本選手権2017出場決定!

山本草太が復活か?2017中部ブロックにエントリー

2度の骨折と3度の手術

長い期間、試合出場もなかったため、山本草太選手の怪我の回復状態に関する情報はほとんど無いままでした。しかし中部ブロック後に、同じ個所を2度骨折、3度の手術を行っていたことが判明します。

 

山本草太選手が最初に足首を骨折したのは一昨年。世界ジュニア選手権出発当日のことでした。そのシーズンの山本草太選手は、ジュニアグランプリファイナル銅メダル、全日本ジュニア優勝、ユース五輪金メダルを獲得し、世界ジュニア選手権でも優勝候補と目されていました。

そして来季からはシニアへ転向、平昌五輪代表候補として大きな活躍を期待されていた最中での怪我でした。

 

「スケートがしたい!」気持ちの変化

2度の再手術の時には気力が無くなり、家族とも引退や就職についても話し合ったそうです。しかしたくさんの方の声援や励ましに後押され、西日本選手権出場を決意します。また一度競技からから離れたことによって、スケートへの思いにも変化が生じました。

 

「試合は緊張するし嫌だなと思ってやってきた。でもスケートがしたい。試合に出たいと初めて思うようになった」

 

支えてもらった家族への感謝と、やっぱりスケートが大好きだという気持ちに改めて気がついた山本草太選手。足にはまだボルトが3本入っており、完治はしていない状態ですが、この経験は今後、山本草太選手のスケート人生に必ず生きてくることでしょう。

 

西日本選手権で決めた3回転ジャンプ!

全てのジャンプがシングルだった中部ブロックから、1ヵ月後の西日本選手権。怪我の状態が心配されていましたが、ショート、フリーともに3回転ジャンプを入れてきました!

 

  • ショート 3回転トーループ+2回転トーループ 2回転アクセル 3回転サルコウ
    (TES27.04 PCS35.20 計62.24点)

 

  • フリー  3回転トーループ+2回転トーループ 2回転アクセル 3回転サルコウ+2回転トーループ 2回転アクセル 3回転サルコウ 3回転トーループ 2回転ループ
    (TES59.94点 PCS73.00点)

 

レベル4獲得!圧巻のノーミス演技!

ショートでは、ルール的には正直最低限ともいえる構成ながらの62.24点は、スピン、ステップのレベルが獲れて、GOEももらえたからこそのスコアです。そしてフリーでは圧巻のノーミス演技!ジャンプ全部降りました!プロトコルを見ても、ひとつもマイナスがついていません!

 

つい1ヶ月前まではシングルジャンプのみだったことを考えると、ここまでジャンプ構成を上げてきたことに驚きです!しかもスピン・ステップはすべてレベル4を獲得!今できる最大の構成を確実にこなすんだという、強い意志が伝わってきます。

 

このジャンプ構成での、PCS73.00点は凄い!ジャンプがシンプルだからこそ、スケーティングの素晴らしさが際立ったのかもしれません。

 

結果は5位で見事全日本選手権進出決定!

 

西日本選手権は全国ネットでのテレビ放送などはありませんでしたが、それでも多くのファンや選手の皆さんが、SNSを通じて山本草太選手の素晴らさを伝えてくれました!

 

壁を乗り越えて 全日本選手権出場!

試合後、山本草太選手は「色々乗り越えてこれたから出来たと思えたので、まだ壁はありますが頑張って乗り越えていきたい」とコメントしています。足を骨折した選手の立場になれば、どんなに超一流の選手であっても、固い氷のリンクの上で跳んだり着地したりする恐怖感は想像しがたいです。

 

シングルジャンプでさえ十分恐いと思われるのに、トリプルまで跳ぶようになるとは、一体どれほどのど勇気がいることでしょう。今季グランプリシリーズを賑わせている、ネイサン・チェン選手、ミハイル・コリヤダ選手、ケイトリン・オズモンド選手など、大きな怪我から復活し活躍している選手も多くいます。

 

山本草太選手には、焦らず諦めずに一歩一歩前に進んで行ってほしいと、そしてこれ以上怪我が無いようにと願っています。まずは全日本選手権出場おめでとうございます!

 

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