樋口新葉2017新プログラム。オリンピックかけたシニア2年目
シニアデビューとなった樋口新葉選手の2016/2017シーズン、初挑戦のグランプリシリーズフランス杯では、3位と銅メダルを獲得するも続くNHK杯では4位となりファイナル進出はなりませんでした。
その後の全日選手権では2年連続の2位、年明けてシーズン後半の四大陸選手権が9位、平昌平昌オリンピック出場枠のかかった世界選手権では11位となりました。
樋口新葉2017新プログラム。オリンピックかけたシニア2年目
そんな悔しさを晴らすように4月に行われた国別対抗戦ではパーソナルベストを更新し、日本チーム金メダルに大きく貢献する活躍でシーズンを締めくくりました。
樋口新葉選手最大の持ち味と言えば、卓越したスピード感あふれるスケーティングですが、表現力も十分シニアで通用する力があることを示してくれました。
シニア転向1年目のシーズンを振り返って「表現面に力を注いだため少しスピード感に欠けた」と語っていますが、2017/2018シーズンは樋口新葉選手本来のスピード感あふれるスケートに加え、更に磨きをかけた表現面でも魅せてくれると期待しています。
2017/2018シーズン、女子シングルは怪我からの復帰となる宮原知子選手をはじめ、昨シーズン大活躍した三原舞依選手、シニアに転向の本田真凛選手と坂本香織選手など、平昌平昌オリンピック出場2枠をかけ熾烈な戦いが予想されます。
樋口新葉選手も「自分は崖っぷち」と語っているように、どの選手が平昌オリンピックへの切符を手にするのか、今の段階では全く予想できない状況です。
樋口新葉2017新プログラム。オリンピックかけたシニア2年目
そんな中、樋口新葉選手の2017/2018シーズンの新プログラムが発表されました。
ショートプログラム、「ジプシー・ダンス」(バレエ『ドン・キホーテ』より)振付:マッシモ・スカリさん
フリープログラム、「スカイフォール」(アデル/映画『007』より)振付:シェイ=リーン・ボーンさん
エキシビション「フィエスタ・フラメンカ」・「ハレルヤ」(ペンタトニックス)振付:望月梨早さん
この2つの新プログラムは、8月3~6日千葉市で行われる関東サマートロフィーで初披露される予定です。
フリーの新プログラム「007」と言えば、バンクーバー五輪で金メダルを獲得した韓国のキム・ヨナ選手がショートプログラムでメドレーを使用しました。
樋口新葉選手は、2012年に英国の女性歌手アデルが映画のために書き下ろした曲を使用します。
アデルのハスキーなボーカルに乗せて、樋口新葉選手がどんな「007」を魅せてくれるのか今から楽しみでなりません。
一方のショートの新プログラムは、バレエ「ドン・キホーテ」より「ジブシー・ダンス」。
差別や流浪の孤独感の中で感じる哀愁や、縛られない自由、情熱的な激しさなどが込められたジプシー音楽をどのように表現するのか。
樋口新葉選手のスピード溢れるスケーティングを活かせる選曲です。
樋口新葉2017新プログラム。オリンピックかけたシニア2年目
ここで注目したいのが、マッシモ・スカリさん、シェイ=リーン・ボーンさんの二人の振付師です。
この二人、昨シーズンの樋口新葉選手の振付も担当しています。
ショートの「ラ・カリファ」がシェイ=リーン・ボーンさん、フリーの「シェヘラザード」がマッシモ・スカリさんなのです。ショートプログラムのマッシモ・スカリさんは、イタリアの元アイスダンス選手です。
引退後はコーチ業兼振付師として活動していましたが、今では世界でも人気の振付師の1人となっています。
2016/2017シーズンの無良崇人選手のショートプログラムなど、日本選手にも多く振付しています。
フリーのシェイ=リーン・ボーンさんは、羽生結弦選手の振付師としても有名ですね。男子シングルのフリープログラム、現世界最高得点の振付師でもあります。
カナダ出身の元アイスダンス選手で、現在でもオフシーズンには日本のアイスショーに出演しています。マッシモ・スカリさん同様、世界でも人気の振付師でこちらも多くの日本選手に振付しています。
ショート、フリー、2つのエキシ全てを新プログラムで臨む樋口新葉選手ですが、現在アイスショーで披露しているのはエキシプロのみです。
エキシは競技プログラムではありませんが、7月のアイスショーでは「ハレルヤ」を披露しました。これまでも多くの選手たちが使用してきている曲ですが、このエキシプロちょっと凄いです。
とにかくターンが多くて、エッジワークが間違いなく鍛えられるであろうという構成なのです。この凄いエキシプロの振付師は日本の望月梨早さん。
元女子シングルの選手で、引退後はヨーロッパで行われた大規模なアイスショーにも参加されています。今後も注目していきたい振付師のひとりですね。
樋口新葉2017新プログラム。オリンピックかけたシニア2年目
2つの新プログラムを引っ提げて、樋口新葉選手は今シーズンに臨みます。
女子シングルの平昌オリンピック出場は2枠、2005年トリノ五輪出場をかけた全日本選手権以来のデッドヒートとなりそうです。しかし熾烈な国内での戦いは決して無駄ではありません。
なぜなら荒川静香さんのように厳しい国内戦での経験が、平昌オリンピック本番で大きな実を結ぶ結果に繋がるからです。シニア2年目の樋口新葉選手には、チャレンジャーとして何も恐れずに向かって行ってほしいです。どんな結果になろうとも、後悔のないシーズンを過ごせるよう頑張ってほしいものです。
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