【紀平梨花・山下真瑚】アジアンオープントロフィー2017に注目

【紀平梨花・山下真瑚】アジアンオープントロフィー2017に注目

アジアンオープントロフィー2017

フィギュアスケートシーズンの本格開幕まではまだ少し時間がありますが、国際試合「アジアンオープントロフィー2017」が8月2日〜5日・香港で開催されます。

この試合はノービスからジュニア、シニアと幅広いクラスの選手たちが出場する国際試合です。

 

シニアの選手たちにとっては、2018平昌五輪に向けて始動する大切な試合となりますね。

【紀平梨花・山下真瑚】アジアンオープントロフィー2017に注目

この試合のもうひとつの楽しみは、未来のオリンピアたちを見つけることです。
特にジュニアクラスには、2018平昌五輪後シニアに転向する選手もたくさんいるので注目です。

フィギュアスケートはスポーツの中でも、比較的寿命が短いとされている競技です。長きに渡って活躍する選手もいますがやはり少数派です。

オリンピック後に大きな転換期を迎えるのもフィギュアスケートの特徴です。
有力選手たちの引退や、ルール改正などでこれまでの流れが一変したりと、ひとつの時代のスパンが短いんですね。

だからこそジュニアの試合にも注目してほしいのですが、今回日本から参戦するジュニア選手は、男子シングル:三宅星南選手、木科雄登選手、女子シングル:山下真瑚選手、紀平梨花選手です。

中でも注目されているのが、紀平梨花選手です。

紀平梨花選手は3回転アクセルのみならず、4回転ジャンプにも挑戦している、とにかく凄いスケーターなんです。

2016年の昨シーズンからジュニアに本格参戦した紀平梨花選手。
ジュニアグランプリシリーズ初戦となるチェコ大会で、果敢に3回転アクセルに挑戦するも失敗してしまいます。

しかし2戦目スロベニア大会のフリーで、女子では史上7人目となる3回転アクセルを成功させます。

と、これだけでも凄いのに6種類8個の3回転ジャンプも成功させて見事優勝、ファイナル進出を決めました。

これがニュースになるやいなや、「3回転アクセルを跳ぶ少女!」とマスコミも騒ぎ立てたので、記憶している人も多いのではないでしょうか。

しかも2017年2月に行われた全大阪フィギュアスケート選手権大会では、3回転アクセル−3回転トゥループ−2回転トゥループのコンビネーションジャンプにも成功しています。

残念ながら国際スケート連盟(ISU)非公認大会ではありましたが、女子では世界初の大技でした。

ちなみに現在、3回転アクセルを公式試合で跳んで認定されている選手は、伊藤みどりさん、トーニャ・ハーディングさん、中野友加里さん、リュドミラ・ネリディナさん、浅田真央さん、エリザベータ・トゥクタミシェワ選手、そして紀平梨花選手の7人です。

7人中4人が日本人というのも誇らしいですね。

紀平梨花

 

 

【紀平梨花・山下真瑚】アジアンオープントロフィー2017に注目

3回転アクセルを含む6種類全てのジャンプを跳べることは、もちろん素晴らしいことです。

しかしそれに勝るとも劣らないのが、このジャンプ全てにGOEで加点が付いていることです。

現行のルールではたとえジャンプを着氷できたとしても、回転不足やエッジエラーなどで全てプラスの評価を得ることは至難の技です。

2014ソチ五輪の浅田真央さんのフリーでも6種類8個の3回転ジャンプを跳んでいますが、回転不足などで全てのジャンプに加点は付きませんでした。

ですから紀平梨花選手のやり遂げたことが、どれほど難しいことだったのかがよくわかります。

子どもの頃は体操教室にも通っていたので、もともと運動神経が良いのでしょうね。

こういった経歴からもどうしてもジャンプが注目されがちな紀平梨花選手ですが、その魅力はジャンプだけではありません。

紀平梨花選手は濱田美栄コーチの元、宮原知子選手、本田真凜選手などと同じ関西大学KFSC(カイザーズスケートクラブ)に所属しています。

【紀平梨花・山下真瑚】アジアンオープントロフィー2017に注目

今、日本、または世界の中でも有力な選手を抱えているクラブのひとつと言ってもいいでしょう。

このクラブには濱田美栄コーチの他、田村岳斗コーチ、岡本治子コーチ、キャシー・リードコーチが指導にあたっています。

宮原知子選手や本田真凜選手を見ていてもわかるように、濱田美栄コーチの門下生は本当に基礎がしっかりしています。

選手個人の努力に加えて、多彩なコーチ陣の指導の賜物でしょうね。

試合後のプロトコル(採点表)を見てもわかるように、ジャンプだけでなくスピン、ステップなどでも最高レベルを獲得しています。

たとえレベル4を獲得できなくても、しっかり加点がもらえているように、スケーティング技術がとても高いのです。

ですからジャンプだけでなく、スケーティングにも是非注目して見て下さい。
今夏のジュニア合宿では、何と4回転サルコーにも成功しました!

4回転サルコーと言えば、女子では安藤美姫さんが14歳の時に認定されたのが初めてで、それ以降は出ていません。

最近練習に取り入れ始めたそうで、今後もっと確率が上がってきたら試合に入れたいと意欲を語っています。

とうとう女子も4回転時代がやって来るのでしょうか?

【紀平梨花・山下真瑚】アジアンオープントロフィー2017に注目

アジアンオープントロフィーに出場のもうひとりは、山下真瑚選手です。

伊藤みどりさん、浅田真央さん、村上佳菜子さんと数々の名選手を輩出した、名古屋の名門グランプリ東海クラブ所属です。

山田満知子コーチ、樋口美穂子コーチの門下生である山下真瑚選手も、紀平梨花選手同様に作ジーズンからジュニアに本格参戦しています。

ジュニアグランプリシリーズでは初戦の横浜大会、次戦のタリン杯ではともに3位入賞を果たしています。

高難度の3回転ルッツ−3回転トゥループのコンビネーションジャンプに加え、アクセルジャンプもカウンターからの難しい入りで跳ぶことができます。

山田満知子コーチからも「ジャンプがいい、華のある選手」と、期待されている選手なんです。

昨シーズンのショートプログラムでは演技後半の3回転ループで加点をもらっているなど、本当に将来が楽しみな選手のひとりですね。

アジアンオープントロフィーで、紀平梨花選手は4回転サルコーにはまだ挑戦しないでしょうが、3回転アクセルは確実に入れてくるでしょう。

山下真瑚選手も、難度の高いコンビネーションジャンプや、ジャンプ前の細やかな入りの工夫などで加点が見込めます。

紀平梨花選手、山下真瑚選手ともに、今後の日本のみならず世界のスケート界を盛り上げ、引っ張っていく存在になる選手たちです。

両選手ともにメダル獲得の期待がかかりますが、何と言ってもシーズン初戦の国際試合です。

あまり結果にこだわらずに、今シーズンの課題を見つけるつもりで臨んでほしいですね。

未来のオリンピアたちです、精一杯応援しましょう!

山下真瑚

紀平梨花

 

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