フィギュアスケートのハイドロブレード、ランジ等つなぎ・動画①

フィギュアスケートのイナバウアー種類等、つなぎ解説・動画
フィギュアスケート、ムーヴズインザフィールドの重要性
フィギュアスケートは、TES・テクニカルエレメンツスコア(技術点)と、PCS・プログラムコンポーネンツスコア(演技構成点)の合計で採点されます。

技術点はジャンプ、スピン、ステップシークエンス、コレオグラフィックシークエンスが規定されており、ショート、フリープログラムともに実施すべきエレメンツ(要素)が定められています。

一方の演技構成点は日本では「芸術点」と呼ばれることも多く、5項目からなっていることからも「ファイブコンポーネンツ」などと表されることもあります。

フィギュアスケートのハイドロブレード、ランジ等つなぎ・動画①

ファイブコンポーネンツ

  • SS:スケーティングスキル スケート技術
  • TR:トランジション つなぎ
  • PE:パフォーマンス 演技
  • CO:コンポジション 構成
  • IN:インタープリテーション 音楽の解釈

これらの要素を採点したものに技術点を合計して総計されているのです。
この5項目の中でもSS・スケーティングスキルTR・つなぎは技術点にも大きく影響する部分です。

ステップシークエンスは複数のステップやターンを組み合わせて滑りますし、コレオグラフィックシースエンスも、ステップ、ターンに加えスパイラル、つなぎのジャンプなどあらゆる種類の動きから構成されるエレメンツだからです。

特にコレオグラフィックシークエンスは、ステップシークエンスよりも自由度があるため、その選手ならではの個性をアピールできるものでもあります。

つなぎとしてよく使われるMIF・ムーヴズインザフィールドも、選手の個性を表すものです。
MIF・ムーヴズインザフィールドは、ひとつの姿勢を保ったまま滑る動作のことです。

決められた基礎点がある演技要素ではありませんが、ジャンプやスピンの前後に付けたり、要素の間のつなぎやコレオグラフィックシークエンスに組み込むことによって加点対象になります。

では、このムーヴズインザフィールドをいくつか紹介していきましょう。

フィギュアスケートのハイドロブレード、ランジ等つなぎ・動画①

◎ハイドロブレード

ハイドロブレード

 

 

ハイドロブレード

エッジを深く倒して体を非常に低い姿勢でほとんど水平に伸ばして滑る動作です。
アイスダンスなどでしばしば行われる要素ですが、最近ではシングルの選手もコレオグラフィックシークエンスに多く使用するようになってきています。
様々なポジションの変化形が可能ですが、シングルスケーターの場合は、膝を十分に曲げてバックインサイドエッジの上に体を乗せ、フリーレッグはスケーティングレッグの後ろからクロスさせて伸ばします。

上半身は内側にたたむようにして、片手または両手で氷を軽くなでるようにバランスを取りながら弧を描くように滑ります。

最近では羽生結弦選手の「SEIMEI」や「Hope&Legacy」のコレオグラフィックシースエンスで見ることができます。

このハイドロブレードを最も有名にしたのが、カナダのアイスダンスで活躍したシェイ=リーンポーンとヴィクター・クラーツのペアです。
当時彼らのコーチが、自動車の片輪走行になぞえて「ハイドロブレード」という言葉を作りました。
シェイ=リーンポーンさんは「SEIMEI」と「Hope&Legacy」の振付師でもあります。

◎スプレッドイーグル

フィギュアスケート

 

 

フィギュアスケート

両足のつま先を大きく180度に開いて横向きに滑る技です。
深いエッジで滑るため、きれいなイーグルを滑るには技術が必要となります。
ジャンプなどに比べると地味な技ですが、柔軟性と体幹がしっかりしていないと美しいポーズを保つことはできません。
上手な選手は背筋もピンと伸びてスピードもありますが、あまり上手くない選手だとへっぴり腰でスピードも上がりません。
股関節が固い選手は、イーグルを苦手とする傾向もあります。
最近ではジャンプの前後に、このイーグルをつなぎとして入れる選手も増えています。
日本では引退した本田武志さん、荒川静香さん、小塚祟彦さん、またカナダのジェフリー・バトルさんのスプレッドイーグルが有名でした。

 

◎ランジ

フィギュアスケート

 

足を前後に開いて足の膝を十分に曲げ、腰を落として片方の靴をエッジが氷に当たらないまでに土踏まず側を内側に大きく倒して、伸ばしたまま後方に引きずる動作のことをいいます。
つまり片足で滑りながら、もう片方のエッジは使わずにまるで引きずっているようなポーズ、と言った方がわかりやすいでしょうか?
フェンシングの突きの動作に姿勢が似ていることからこの名がありますが、他にもウェイトトレーニングのバーベルを持ち上げる姿勢やヨガなどにも見られるポーズです。ランジ姿勢、ランジ滑走とも言います。

 

フィギュアスケート

「ランジ」を一躍有名にしたのは、羽生選手の「パリの散歩道」でした。
これは変形とでも言いましょうか、足を深く前後に開いたすぐ後に真横に開いています。
その足の形がひらがなの「へ」に似ていることから「ヘ・ランジ」と呼ばれました。

 

後半へ続く▶フィギュアスケートのイナバウアー、クリムゾン等つなぎ・動画②

 

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