宮原知子2017新プログラムの勝負曲は?あの名曲で平昌五輪へ

宮原知子

先日、宮原知子選手の2017-2018シーズンのフリースケーティングの新プログラムが発表されました。

新プログラムの使用曲は日本の長崎を舞台にした有名なオペラ「蝶々夫人」です。

スケートファンにとって「蝶々夫人」と聞くと、今年現役を引退した浅田真央選手が休養後に滑っていた印象が記憶に新しいですが、同じく宮原知子選手も股関節の怪我からの復帰後に偶然にもこの曲を選んだことで話題になっています。

宮原知子と本田真凛が 関西大学アイスショーでフリー新プログラム発表 動画

宮原知子2017新プログラムの勝負曲は?あの名曲で平昌五輪へ

宮原知子選手自身は「宮原知子の蝶々夫人と言われるような演技がしたい。」とインタビューでも意気込んでいるので、たとえ歴代選手の名プログラムと同じ曲であっても、選手それぞれのプログラムとして楽しみにしたいところです。

さらに新プログラムの選曲をした濱田美栄コーチは「クラシックを基礎からやってきているロシア勢に対抗するには東洋的なものを出した方がいい」と語っています。

振付はアメリカのコリオグラファー・オブザイヤーにも選ばれたことがある伝説のプログラムメーカー、トム・ディクソン氏。宮原知子選手のプログラムの中でも一際評価の高いあの「ミス・サイゴン」を振り付けた方ですから新プログラムも期待して間違いありません。

「ミス・サイゴン」と「蝶々夫人」はストーリーにも共通点があるため、宮原知子選手にとっても作品をイメージしやすく、それが表現面において効果的になるはずです。

宮原知子2017新プログラムの勝負曲は?あの名曲で平昌五輪へ

例えばこの二つの作品にはどちらにも愛する人を待ち続ける描写があります。前者ではベトナム戦争末期、米兵クリスと恋に落ちたベトナム人少女キムが国に帰ったクリスを待ち続け、後者では米海軍のピンカートンと結婚した蝶々さんが、突然国に帰ってしまったピンカートンを待ち続けます。

また、この二人には待ち人を想いながら一人でこどもを育て、その後こどもの幸せのために自ら命を絶ってしまうという共通点もあるのです。当時「ミス・サイゴン」を演じていた宮原知子選手には少女の儚く切ない恋心が純粋無垢に表現され、とても美しかったのを覚えています。

おそらく新プログラム「蝶々夫人」も「ミス・サイゴン」のように感動的になるか、またはそれを超える歴史的プログラムになると信じています。没落藩士の令嬢である蝶々さんの凛とした心を、ディクソン氏と宮原知子の組み合わせでどんな仕上がりになるのか、このストーリー性溢れる新プログラムが今から楽しみでしかたありません。

宮原知子2017新プログラムの勝負曲は?あの名曲で平昌五輪へ

そして、周りが何より心配していた怪我の具合ですが、宮原知子選手は5月に氷上練習を再開し、7月2日に行われた関大教育後援会創立70周年のアイスショーでは見事に復帰を果たし元気な姿を見せてくれたことから、今季戦う準備ができていることがわかり安心しました。

ただ、いくら良くなったからといっても、試合での連戦の中で疲労が重なると、再び悪化するおそれも考えられるので、無理をせず調整していってほしいです。

そんな宮原知子選手の2017/2018シーズンの初戦は10月6日からフィンランドで開催されるフィンランディア杯になります。

久々の試合で緊張するかもしれませんが、昨シーズン世界中のファンが宮原知子不在の期間を嘆いていました。こうして待ちわびている観客のためにも思い切り、そして2017年に同じくフィンランドで開催された世界選手権に出場できなかった悔しさをバネに、宮原知子選手唯一無二のスケートを届けてほしいです。

 

急成長を遂げる若手選手たちと激戦になると予想される今年の全日本選手権での代表枠争いですが、全選手を応援すると同時に、ここまで日本を引っ張ってくれた宮原知子の2017/2018シーズンの勝負曲「蝶々夫人」が彼女を夢のオリンピックの舞台まで連れて行ってくれることを願っています。