羽生結弦│右膝の不安と世界記録更新・2017年9月

羽生結弦選手今季初戦オータムクラシック 銀メダルは幸運のお守り

今季初戦・オータムクラシック2017

平昌五輪2018で連覇に挑む羽生結弦選手が、カナダ・モントリオールで開催されたオータムクラシックに出場しました。

右ひざの状態が不安視される中、自身の持つショートプログラム歴代世界最高得点を見事更新!
しかし翌日のフリーでは大失速するなど、初戦からハラハラドキドキさせてくれました。

そんな羽生結弦選手の今季初戦となったオータムクラシックを振り返ってみましょう。

ハビエル・フェルナンデス選手も出場

気温27〜28度とこの時期にしては珍しく暖かな日和となった、カナダ・モントリオールで開催されたオータムクラシック2017。

今大会には、羽生結弦選手と同じクリケットクラブに所属するスペインのハビエル・フェルナンデス選手も出場しました。

ソチ五輪後、世界王者の座を分け合っている2選手の出場とあって、世界からも大きな注目が集まります。

もちろん日本からも多くのファンが詰め掛け、会場は本格シーズンさながらの盛り上がりを見せました。

空港に到着した羽生結弦選手は、付けていたマスクを外し待ち構えていた報道陣に挨拶。
しかし「調子は?」と聞かれると「まあまあ」と、いつもと違い笑顔も少なめでした。



スポンサーリンク

右膝の不安と世界記録更新

そんな最中、「羽生結弦選手が右ひざに不安を抱えている」というニュースが飛び込んできます。

ブライアン・オーサーコーチは「大事には至っていない」としながらも、今大会は安全策として「右足に負荷のかかる4回転ループを回避、難易度を落としたプログラムで臨む」と発表しました。

羽生結弦選手は約10日ほど前に右ひざに違和感を感じたため、大会前の練習は休んでいたとされています。

その後の公式練習で4回転ジャンプを跳んではいましたが、これまでも自身の怪我や体調に関しては多くを語らない羽生結弦選手だけに、怪我の具合はショートプログラムでのパフォーマンスで判断するしかなさそうです。

これまでも大きな怪我を抱えながらも、数々の試合で結果を残してきている羽生結弦選手です。
無理を押しての出場ではないと、ここは羽生結弦選手とサポートチームの方々を信じるしかありません。

そんな様々な思いがよぎる中、羽生結弦は不安を一掃するかのように、ショートプログラムで歴代世界最高得点を更新して魅せてくれたのでした。

こんなに凄い世界新!

ショートプログラムは自身3度目の使用となる「ショパンバラード1番」。

右ひざに負担のかかる4回転ループを回避してのプログラム構成は、2015/2016シーズンと同じジャンプ構成となりますが、4回転-3回転の連続ジャンプを1.1倍になる後半に組み込んできています。

(4回転サルコウ//後半・3回転アクセル/4回転トーループ−3回転トーループ)
なんと言っても圧巻はその出来ばえ点の高さです。

 

  • 4回転サルコウ GOE3(満点)
  • 3回転アクセル GOE3(満点)
  • 4回転トーループ−3回転トーループ GOE2.8

 

その他ステップ・スピンいずれもレベル4獲得!

ショート・技術点64.17点は世界新、GOE14.66点も世界新、シットスピンのレベル4+GOE1.5(満点)は世界初!

演技構成点PCS48.55点は、すべて異次元の9点台後半をマーク。

5項目ある中の演技構成点では、10点満点が10個!

2015年バルセロナの110.95点を超える112.72点を叩きだし、実にショートプログラム7回目となる歴代世界最高得点の更新したのでした。

注目すべきは現在の熾烈な4回転バトルの中にあって、トーループとサルコウの2種類の4回転での世界記録を更新したことです。

まさにブライアン・オーサーコーチ論ずるところの「トータルパッケージ論」の大勝利ですね。

まさかの逆転負け

昨シーズンのショートプログラムで、なかなか自身の持つ記録に近づくことができずにいた羽生結弦選手ですが、初戦でいきなりの自分超えを果たしてきました。

2位のハビエル・フェルナンデス選手に10点以上の大差をつけ臨む翌日のフリーは、2年ぶりの再演となる「SEIMEI」です。

ショートでの快挙にマスコミも更なるフリーでの記録更新を期待しましたが、ここでちょっと疑問が湧き上がります。

スロースターターでいつも秋初戦は良くない羽生結弦選手が、初っ端から記録更新なんて大丈夫なんだろうか?

例年とは違うスタートダッシュにに戸惑いの声があがります。

そして膝の不安を抱えたま迎えた翌日のフリースケーティング。

プログラムの前半は3回転ジャンプを3回連続、後半に連続ジャンプを含む4回転を3本、3回転アクセル2本の高難度構成のプログラムで臨みます。

しかし冒頭の3回転ルッツが1回転になると後半もジャンプが乱れ、ショート112.72点 フリー155.52点、総合268.24点で、ショート2位のハビエル・フェルナンデス選手にまさかの逆転負けを喫することとなりました。



スポンサーリンク

理由は膝痛と調整不足?

試合後、羽生結弦選手は「最初のルッツが抜けて、雑念がすごく多くなった。いろいろなことを考えすぎて、ぐちゃぐちゃになってしまった」と語っています。

「慣れていない構成に余計な力が入りすぎた」。

確かにフリー冒頭の3回転ジャンプは、ジュニア以来のはずです。

3回転ルッツが抜けた後に、4回転ループを一瞬考えながら跳んだ3回転ループ。
「やっぱり4回転ループをやればよかった。もどかしい悔しさ」と言うように、膝の痛みだけでなく精神的にも集中力を欠いた様子です。

右膝を痛め1週間ほど練習ができない時期があり、今大会は棄権を検討したほど。
そんな状況で変更したプログラムを練習する時間は、あまり無かったことが予想されます。
ジャンプの回転を替えるということは、軌道、スピード、タイミング、リズムとすべてが違ってきます。

本人も「レベルを落とした慣れない構成で、思い切ってできないもどかしさ」と話していたように、フリーでの失速は膝の影響による調整不足が原因だと見て取れました。

挑戦しないリスク

ソチ五輪で4回転サルコウが試合で決まらなかった時、羽生結弦選手にブラインアン・オーサーコーチが4回転トーループ2本にする提案をしました。

しかし羽生結弦選手は「出来ることをやらないのは僕にとって全力じゃない。それで負けたら絶対後悔する」と言って、オリンピック本番でも4回転サルコウに挑み続けます。

それが羽生結弦選手の流儀であり、当たり前のことなんでしょう。

たとえ膝に問題を抱えていたとしても、難易度を落としたプログラムで臨むということは、羽生結弦選手にとっては想像以上にストレスだったようです。

「挑戦しないと僕らしい演技は絶対にできないと分かった。強い自分を追いかけながら、さらに難しい構成で追い抜いてやろうと思っている」と力強く語っています。

ソチ五輪の時と今とでは立ち位置は違いますが、アスリートとしての根本は当時のまま少しも変わっていません。

羽生結弦選手にとっては、挑戦しないことが一番のリスクなのかもしれません。
本当に根っからの挑戦者なんですね。

 

銀メダルは幸運のお守り

今シーズンも初戦から、ある意味天国と地獄を味わったようなオータムクラシックでしたが、この敗戦を不安に思う必要は全くありません。

なぜなら羽生結弦選手にとって、カナダの試合における銀メダルはオリンピックシーズンにおけるラッキーアイテムだからです。

前回ソチ五輪シーズン、グランプリシリーズ初戦となったカナダ大会でも全く実力を発揮できずに銀メダルとなっています。

そして続くフランス大会でも銀メダル。

が、次のグランプリファイナルで見事金メダルを獲得すると、その後は全日本、ソチ五輪、世界選手権と怒涛の金メダルラッシュ。

シーズン終わってみればアレクセイ・ヤグディンさん以来、世界で2人目となる3冠を達成しました。

2015/2016シーズンもカナダ大会銀メダルで、NHK杯、グランプリファイナルと連続で世界記録を更新。

昨シーズンもカナダ大会銀メダルで、ファイナル4連覇、世界選手権金メダル、さらにフリーでの世界記録更新と、カナダでの銀メダルはまるで幸運のお守りです。

今季はカナダ大会に出場しないので、早々にオータムクラシックでお守りを手に入れただけ、のことだったんですね。

秋初戦はこれでよし!

羽生結弦選手は昨シーズンもオータムクラシックに出場し優勝していますが、実は昨シーズンの優勝スコアよりも今大会の方が高いスコアを出しているんです。

去年260.57点、今年268.24点。

ただ今回は、ハビエル・フェルナンデス選手という、羽生結弦選手同様に世界トップクラスの選手が出場していました。

たとえ羽生結弦選手と言えども、あそこまでフリーでのミスが続けばさすがに勝つことが難しかった、ということです。

これまでも羽生結弦選手の秋初戦の自爆演技は何度も経験済みです。
焦ることは全くありません。

「悔しさという大きな収穫を手に入れられた」と語った羽生結弦選手。

負けず嫌いに「悔しさ」は最強のエネルギーです。
まずは膝が早く回復するよう、ただそれだけを願いましょう。

 



スポンサーリンク

 

羽生結弦がSP世界新112.72 オータムクラシック2017

チャレンジャーシリーズ2017

羽生結弦選手2017 関連記事

本田真凛ちゃんをポチッとお願いしま〜す
↓↓↓↓↓
にほんブログ村 その他スポーツブログ スケート・フィギュアスケートへ
にほんブログ村